1.現況と今後の予想

 コロナショックをきっかけとした、株安、原油安、現金化するための全般的なドル買いによって、新興国通貨であるメキシコペソ円相場は大きく下落しました。原油価格については長期的な低迷が予想されます。ドル/ペソ相場は上記要因によって過去最高値(ペソ安)を付けており、メキシコペソ中銀の利下げによって更に高値を更新していくことも予想されます。

 チャートを見るとペソ円は4.5円付近で下げ止まってはいますが、これは全般的なドル買いによるドル円相場の上昇も要因であると考えます。私は現時点ではパニック的なドル買いが起こっているものの、落ち着いてきたときには、コロナウイルスの被害が世界的には比較的少なく、長らく安全資産とされてきた「円」が買われる可能性を想定した資金余力をキープしておく必要があると考えます。

 ペソ円相場は「ドル円相場 ÷ ドルペソ相場」によって算出されます。ドル円が再び円高になり、リスク資産であるドルペソが下げ渋るとペソ円は以下のようになります。

 

≪ドル買いが始まった3/10の終値

 ドル円102.38           ÷ ドルペソ20.80             = ペソ円 4.92円

≪直近3/20終値(3/10からの下げ幅)≫

 ドル円111.52(▲8%) ÷ ドルペソ24.42(▲15%) = ペソ円4.52円

ドル円円高 ドルペソは下げ渋りとなった場合≫

 ドル円100.00    ÷ ドルペソ24.40     =ペソ円4.09円

 

 ついては現況をペソ円相場の底とは考えず、ペソ円4.09円-0.5円=3.59円程度まで下がることを想定していくこととしました。

 上記の通り、ペソ円は円高が進む懸念があることに加え、スワップ減少すると想定され、金利収入減少による積立投資メリットが減ることを踏まえ当面新規購入を見送ります。

 

2.対応

 2020年2月の結果及び3月の計画は以下の通りでした。

2月の結果
純投資額  1,650,000 (+350,000)
純資産評価 1,901,211 (+109,242)
為替損益    ▲143,935 (▲284,470)
金利収入     354,934 (+  40,135)
月間金利収入     40,212 (         +77)
保有ペソ数  129万ペソ(+16万ペソ)
平均持ち値   5.622    ( ー0.004)
ロスカット   4.154    ( +0.009)
 
3月の計画
労働所得を5万円投下+前月金利収入にて6万ペソ投資。

前月末に投下した労働所得(ボーナス)にて30万ペソ購入の計画も飲み会で買い切れなかったため、5.4円台入ったら20万ペソ程度買い増し購入。

 コロナウイルスを要因とした世界的な経済不安によって高金利通貨であるメキシコペソは更に円高が進むことが想定。

ここを絶好の買い場であると捉えると共に、引き続き生活面のCFは余裕あることから、積立投資は当初150万円としていたが、200万円まで引き上げることとする。

一方でメキシコの経済成長は停滞しており、金利も低下。ペソが売られ、金利収入が下がる懸念もあることから、ペソ相場や金融政策、経済動向には引き続き注視したい。

 絶好の買い場と言っていたのが今となっては恥ずかしい限りです。

 投資判断の変更により以下の通りの運用をして参ります。

 

3月の結果(見込)
純投資額  1,850,000 (+200,000)
純資産評価 ********** (********)
為替損益    ********** (**********)
金利収入    ********** (**********)
月間金利収入 ********** (**********)  
保有ペソ数  134万ペソ(+5万ペソ)
平均持ち値  5.611(-0.11)
ロスカット  約3.07(-1.07)
→月中に20万円を緊急支援。月初に15万ペソ買ってしまったものの、10万ペソを売却済。為替損失発生もロスカットレートは3.07まで低下。

メキシコ中銀▲0.5%利下げ実施 政策金利は7.0%⇒6.5%へ 

メキシコ中銀が政策金利を0.5%ポイント引き下げ6.50%としました。

新型コロナウイルスの影響で混乱する金融市場を支援するのが狙いです。

以下メキシコ中銀が発表した声明文を翻訳した内容を転記します。

 

世界の複雑な経済および金融状況を考慮して、メキシコ銀行は、必要な措置をタイムリーに実行するために、国内の金融市場を注意深く監視しています。

COVID-19の急速な広がりは、世界経済の成長見通しに深刻な影響を与え、世界的な金融状況の大幅な悪化をもたらしました。

さらに、商品、特に原油の価格が急落しました。これらにより、いくつかの場合には予​​定よりも早く、いくつかの先進国および新興国中央銀行金利を引き下げました。

同時に、予想される内外の需要の低下を緩和し、金融市場の適切な機能を保証するために、他の特別な財政および金融措置が実施されました。

他の新興経済国と同様、過去数週間でメキシコのペソの為替レートは大幅に下落し、すべての条件で国債利回りが大幅に上昇し、リスクプレミアムは著しく増加しました。

この点で、理事会は本日、銀行システムに流動性を提供し、国内金融市場の機能を改善するための追加措置を実施することを決定しました。
 上記の状況は、金融政策が機能する期間内のメキシコ経済の成長とインフレの両方の見通しに影響を与えます。特に、世界経済のさらなる弱体化による、パンデミックから生じる可能性のある経済活動への悪影響は、経済の成長見通しの悪化を意味します。このため、予想以上のスラック状態の拡大が予想され、リスクのバランスは下振れに大きく偏っています。
 インフレに関しては、予想されるマイナスの需給ギャップの拡大と国際エネルギー価格の下落は、この指標に下方圧力を意味する可能性があります。それにもかかわらず、これらはペソの下落によってもたらされる価格の上昇圧力によって相殺される可能性があります。したがって、インフレは金融政策が機能する時間枠内でメキシコ銀行の目標に向けて下降傾向を続けると予想されますが、この傾向はより遅くなる可能性があり、下落と上昇の両方の重要なリスクにさらされます。これに関連して、インフレのリスクのバランスに関する不確実性が高まっています。
 COVID-19のパンデミックによって暗示されるインフレ、経済活動、および金融市場のリスクを考慮すると、金融政策および一般的な経済にとって重大な課題が生じます。

予想される影響を考慮して、すべてのメンバーが出席しているため、メキシコ銀行総裁は多数決により、銀行間翌日物金利の目標を50ベーシスポイント下げて6.5%にすることを決定しました。あるメンバーは、目標を6.75%に下げることに投票しました。
 理事会は、政策金利が、金融政策が機能する時間枠での見出しインフレ率とバンコ・デ・メキシコの目標との整然とした持続と一致するように、着信情報に基づいて必要な措置を講じます。金融政策と財政政策の両方に関して、マクロ経済のファンダメンタルズを強化し、必要な行動をとることへの忍耐は、国内金融市場と経済全体の成功した調整に貢献します。

 

 

 

 

 

 

MXNおよびUSDの流動性を提供し、国内市場の機能を改善するための措置世界経済活動に対するCOVID-19の影響に関する不確実性および最近の国際原油価格の下落。これに関連して、メキシコの外国為替および債券市場は大幅な調整、流動性の低下、取引条件の悪化を受けています。この環境では、先週、金融当局は外国為替市場と債券市場の両方のより良い機能を促進するための措置を講じてきました。本日、Banco deMéxicoの理事会は、3月の金融政策の決定を前進させ、オーバーナイトの銀行間金利目標を6.5%に50ベーシスポイント引き下げることを決定しました。また、銀行システムにMXNおよびUSDの流動性を供給し、国内金融市場の機能を改善し、健全な発展を促進することを目的とした追加の措置を承認しました。これらの措置のいくつかは、財務省と共同で実施されました。
 
1.金融規制預金(DRM)の500億ペソの削減。
 
Banco deMéxicoは、商業銀行および開発銀行が保有するDRMの量を500億ペソ削減することを決定しました。これは、中央銀行に恒久的に預託されています。現在、総DRMは約3,200億ペソです。 Banco deMéxicoは、この措置の金銭的影響を殺菌します。このアクションにより、500億ペソのリソースが商業銀行と開発銀行の活発な取引をサポートするために振り分けられ、流動性とクレジットを付与し、クレジットラインを維持または拡張する能力が向上します。 DRM調整の最終的な詳細は、2014年9月の通達の次の修正で公開され、2020年4月1日に発効します。
 

 
2.通常の追加流動性ファシリティの金利の調整。
 
2008年から利用可能な通常の追加流動性ファシリティは、担保付きクレジットまたはレポを介して商業銀行に流動性を提供し、その費用はBanco deMéxicoの夜間銀行間金利の目標の2〜2.2倍です。商業銀行が適切に業務を遂行するために必要な流動性を持つように商業銀行の資金調達の選択肢を強化するために、紹介されたクレジットとレポのコストは、メキシコ銀行の夜間銀行間金利の目標の1.1倍に下げられました。施設の調整の最終的な詳細は、2015年10月の通達の次の修正で公開されます。通常の追加流動性ファシリティの低金利は、2020年4月1日に施行されます。
 
3.米ドルのオークション。
 
民間部門の参加者が米ドルで資金調達できるようにするために、Banco deMéxicoは、為替委員会の指示に従って、クレジット機関間で米ドルのオークションを実施します。この施設は、昨日発表された600億米ドルの米国連邦準備制度との一時的な米ドル流動性協定(「スワップライン」として知られている)によって資金提供されるだろう。オークションの最終契約条件は、2009年Circular 8の次の修正で公開されます。このような通信に基づいて、上記のオークションの特定の機能がそれぞれのオークションコールで発表されます。
 
4.政府債務市場メーカープログラムを強化するための財務省との協力。
 
マーケットメーカープログラムの目標は、参加している金融機関が債券の発行、市場への流動性の提供、市場価格の発見プロセスの促進により、政府証券市場の発展に貢献することです。これに関連して、メキシコ政府の金融代理人であり、財務省と共同で、メキシコ銀行は、
2
 

 
そのようなプログラムへの機関の公的債務市場へのより大きな参加を促進するマーケットメーカープログラムは、その健全な発展に貢献します:oマーケットメーカーが保有する政府証券のスワップを実装し、証券保有をより良く管理できるようにします。 oプライマリーオークションに続く2日目の銀行取引日に行われるオプションの行使のための、マーケットメーカー向けの国債の購入オプションの修正。現在、行使期間は1銀行日です。 Market Makers Programの最終的な詳細は、2011年Circular 5/2017およびCircular 9/2017の対応する次の修正でリリースされ、2020年4月1日に発効します。BancodeMéxicoは、メキシコの金融の進化を引き続き追随します市場とその取引条件を常に評価します。他の金融当局と連携して、その責任の範囲内ですべての適切な行動をとります。

実績 2020年02月

1.2020年2月成績

f:id:pepepepeso:20200301201340p:plain

純投資額  1,650,000 (+350,000)

純資産評価 1,901,211 (+109,242)

為替損益    ▲143,935 (▲284,470)

金利収入     354,934 (+  40,135)

月間金利収入     40,212 (         +77)

保有ペソ数  129万ペソ(+16万ペソ)

平均持ち値   5.622    ( ー0.004)

ロスカット   4.154    ( +0.009)

 

労働所得50,000円+前月金利収入40,135円を原資とし6万ペソ購入。

急激な円安進行によりペソ円は6.0円を突破する場面もあったが、コロナウイルスの影響で、一転してドル円高と原油安が進行。

相関性高いペソ円も円高が進行し、28日には5.5円を割り込んだ。

計画の通り、ペソ円が5.5円割れを割安と捉え、労働所得(ボーナス)より30万円を投下し5.4円台で10万ペソを買い増しした。

結果的に持ち値よりも円高進行したことで、為替差損益はマイナスに突入したが、積み上げた金利収入によって、純資産評価はプラスとなった。

 

  

2.2020年3月計画

労働所得を5万円投下+前月金利収入にて6万ペソ投資。

前月末に投下した労働所得(ボーナス)にて30万ペソ購入の計画も飲み会で買い切れなかったため、5.4円台入ったら20万ペソ程度買い増し購入。

 

コロナウイルスを要因とした世界的な経済不安によって高金利通貨であるメキシコペソは更に円高が進むことが想定。

ここを絶好の買い場であると捉えると共に、引き続き生活面のCFは余裕あることから、積立投資は当初150万円としていたが、200万円まで引き上げることとする。

一方でメキシコの経済成長は停滞しており、金利も低下。ペソが売られ、金利収入が下がる懸念もあることから、ペソ相場や金融政策、経済動向には引き続き注視したい。

 

 

2019年10-12月 メキシコ中銀レポート抜粋

・2019年の世界経済は減速を続けた。しかし、先進国の労働市場指標は引き続き相対的な強さを示した。

・先進国全体のインフレ率は、中央銀行の目標を下回ったまま。一方、予想物価上昇率は低い水準を維持。

・先進国の中央銀行は緩和的なスタンスを維持しているが、貿易の緊張や地政学的な対立に伴う高い不確実性は、投資と成長に大きな悪影響を及ぼしている。

・2019年第4四半期には、経済活動が数四半期にわたって示してきた緩やかな下降軌道が持続した。消費のダイナミズムが少なく、総設備投資が縮小し続けた。

・短期、中期、長期のインフレ予想は、ヘッドラインインフレ率に対して比較的安定しており、基調的なインフレ率の上昇を示した。

・2019年の年間インフレ率は大幅に低下し、3%目標に沿って年末の水準に達した。これは主に、非基礎的なインフレ率の低下によるもの。

・2020年までに、GDP成長率は0.5%から1.5%で、44万人から54万人の新規正式雇用と現在のGDPの0.9%の赤字が予想される。一般の年次インフレ率と基礎となるインフレ率に関しては、2020年はそれぞれ3.2%と3.0%で引き締まると予想される。

 

 

 

スワップポイント推移 2020/2

f:id:pepepepeso:20200211230032p:plain

FX業者の日平均スワップポイント推移をまとめました。

 

メキシコ中銀の利下げに伴いどの業者も減少傾向にあることがわかります。

 

スプレッドコストもかかりますので、中長期的に高いスワップを提供している業者を選びたいところです。

 

 

実績 2020年1月

1.2020年1月成績

純投資額  1,300,000(+50,000)

純資産評価 1,791,969(+74,202)

為替損益     140,535(+38,567)

金利収入     354,934(+40,135)

月間金利収入     40,635(+  2,061)

保有ペソ数  113万ペソ(+6万ペソ)

平均持ち値  5.626(+0.011)

ロスカット  4.522(+0.009)

 

 ⇒労働所得から5万円+金利収入5万円投入し6万ペソ購入

⇒月間金利収入は4万円を突破。短期的な目標としていた月間5万円は4月までに達成見通し

⇒月中に口座をセントラル短資からGMOプライムへ変更。▲スプレッド分6,000円+GMOプライムキャンペーン2,500円=▲3,500円のコスト発生

 

f:id:pepepepeso:20200203104111p:plain

2.相場回顧

1月は横ばい推移となった。3日にイラン革命防衛隊司令官が殺害され、中東情勢が緊迫化すると、新興国通貨は下落するも、ペソの下げ幅は、原油高に支えられ限定的となった。その後、米国とイランとの衝突が回避される見通しとなると、ペソは一段高に。16日に米国議会上院で新協定USMCA実施法案が可決されると、さらに上振れ5.9円台を付けた。しかし、中国の新型肺炎に起因する、世界経済不安が出ると、安全資産の円が買われ、ペソ円も円高に進んだ結果、12月末クローズと同水準の1月終値となった。

 

 

3.2020年2月計画

・5万円の純投資額投入

・経済不安等によりペソ円5.5円を割り込むタイミングで30万ぺそ程度更に買い増す

 

f:id:pepepepeso:20200203104018p:plain

 

2020/1 メキシコペソ 今月の積立計画

1.マーケット概況

2019年12月は経済減速を嫌気に中銀が連続して利下げをしているものの、主要産油国が協調減産延長に合意し原油高が進んだことで上昇した。円相場の安定もペソ円相場の追い風となっている。

 

2.今月の戦略

◎積立5万円+金利収入の範囲内で買い増す

〇FX会社の移行を検討

スワップポイントの差が3円程度ありチャンスロス発生中。高スワップポイント支払う会社が単なるキャンペーンで増額しているだけではないのか様子を見つつofferとbidのスプレッドも考えた上で資産移行を検討。 

△追加資金を投入し30万ペソ買い増す

→5.5円以下急落した場合は追加購入することを検討しますが可能性は極めて低いと考えます。